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渡辺, 剛志; 島田, 幹男; 波川, 啓土; 斉藤, 泉; 髙澤, 俊英; WATANABE, Tsuyoshi; SHIMADA, Mikio; NAMIKAWA, Yoshitada; SAITO, Izumi; TAKASAWA, Toshihide. |
低温性雪腐病菌Sclerotinia nivalis の低温適応現象を解明するために, 5℃及び20℃で産生するポリガラ クツロナーゼ(PGase)活性の性質を調べた。S. nivalis のアルファルファ培地での培養は5℃では187 日間, 20℃では195 日間行った。5℃及び20℃培養粗抽出液のPGase 活性は, それぞれ57.9±0.4 U/mL(抽出体積 740mL, Total activity 42 800U), 20.4±0.4 U/mL(抽出体積655mL, Total activity 13 400U)であり, 5℃ 培養は20℃培養より2.8 倍高くPGase を産生した。温度依存性については, 5℃及び20℃培養PGase 活性とも に最適温度は50℃であった。5℃培養粗抽出液PGase 活性含量(U/mL)は, 5-70℃のほぼ全域の温度範囲におい て20℃培養粗抽出液PGase 活性に較べてかなり高かった。50℃での活性に対する各温度での相対活性での比 較においては, 5℃培養粗抽出液PGase活性は, 5-40℃の低温域温度範囲において20℃培養粗抽出液より約1.5 倍(40℃)-3.5 倍(5℃)高かった。pH 依存性については, 最適pH はいずれもpH4.0-4.5 であったが, pH5.0-6.0 においては傾向は異なっていた。温度安定性については, 5℃培養粗抽出液は5から30℃までは安定であった。 一方, 20℃のものは, 40℃まで安定であった。 これらのことから, S. nivalis は, 5℃での低温培養においては, 熱不安定な低温活性PGase を大量に産生す ることによって低温に適応していることが示された。 |
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Palavras-chave: Sclerotinia nivalis; 低温菌; ポリガラクツロナーゼ; 低温適応; 細胞壁分解酵素. |
Ano: 2005 |
URL: http://ir.obihiro.ac.jp/dspace/handle/10322/86 |
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