低温性通性雪腐菌核病菌Sclerotinia trifoliorum の低温適応現象を解明するために, 5℃及び20℃で産生するポリガラクツロナーゼ(PGase) 活性の性質を調べた。 S. trifoliorum のアルファルファ培地での培養は5℃では160日間(最適培養日数), 20℃では45日間(最適培養日数) 行った。 5℃及び20℃培養粗抽出液のPGase 活性は, それぞれ30.8±0.4 U/mL (抽出体積462mL, Total activity 14 200U), 36.5±0.9 U/mL (抽出体積454mL, Total activity 16 600U) であり, 低温 においてもPGase 産生量が著しく低下しないことがわかった。これら粗抽出液をBio-Gel P-6 DG ゲル濾過クロマトグラフィーによる脱塩操作後に, 5℃及び20℃培養脱塩画分のPGase 活性の性質を調べた。温度依存性については, 最適温度は5℃及び20℃培養PGase 活性ともに50℃であり, 50℃での活性に対する各温度での相対活性によって両者を較べると, それらの曲線は両者でほぼ一致した。温度安定性については, 残存活性で比較すると, 5℃培養PGase 活性は15℃~35℃において僅かであるが20℃培養のものにくらべて不安定性を示した。一方, 45~55℃では若干の安定性を示した。pH 依存性については, 5℃培養PGase 活性の最適pH は4.5であり, 20℃培養は4.0であった。従って, これらの結果は5℃及び20℃培養によって産生された各々のPGase アイソザイムが異なることを示した。 In order to clarify cold adaptation phenomenon of... |