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平田, 昌弘; HIRATA, Masahiro. |
これから3回にわたってインドの乳加工技術と乳製品とを紹介する。 インドはウシとスイギュウを合わせた生乳の生産量が2008年では10,500万トンと,世界第一の生産量を誇る(FAOSTAT,2010)。インドは,ウシ(4,410万トン)よりもスイギュウ(6,090万トン)の生乳生産の方が多い珍しい国である。インドで生乳の生産・集荷量が飛躍的に増加しえたのは,イギリスのインド支配の影響とホワイト・リボルーション(白い革命)とも呼ばれる酪農協同組合の組織化・発達によっている。紙面上の都合で説明は省略するが,詳しくはKatar and Virendra(1998),平田(2005)の論文を参照されたい。世界の中で最も生乳の生産量が多いことを鑑みると,ユーラシア大陸の乳加工技術や乳製品利用を考察するにあたって,インド乳文化の研究は不可欠であることが理解される。 |
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Palavras-chave: 乳加工; 乳製品; 牧畜民; インド. |
Ano: 2011 |
URL: http://ir.obihiro.ac.jp/dspace/handle/10322/3171 |
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平田, 昌弘; HIRATA, Masahiro. |
インドには,ユーラシア大陸においてインドのみにしか観られない乳加工技術がある。ライム汁(植物有機酸)を凝固剤にしてチーズを加工したり,加熱濃縮系列群の乳加工を採用したりと,大変珍しい技術が存在している。また,乳製品の菓子である乳菓にも種類が多い。鴇田の報告(1992)からも分かるように,類似した乳加工技術や乳製品がインドでは多種多様に発達している(図1)。新しい乳菓を開発しようとしている菓子職人,和食と乳製品との融合を図ろうとしている開発者には,ぜひインドを訪問されてみられるとよい。斬新なアイデアが得られることであろう。 本稿と次号Vol.53 No.7ではインドの都市と農村での事例を中心にして,乳製品の種類とその加工法,そして,利用のされ方について紹介する。インド乳製品の多様性の整理を試みるために,本稿では類型分類法として,乳のみを素材とした乳製品と添加物を付加した菓子的な乳製品とを区別するために,乳のみを原材料として加工した乳製品を「乳のみの乳製品」,乳を主な材料にし,砂糖やナッツ類などを添加して加工した菓子様乳製品を「乳菓」として区別する。「乳のみの乳製品」には,酸乳,バター,チーズ,バターオイル,バターミルク,クリームなどを含み,その製造工程は乳のみを原料とした加工技術により構成される。一方,「乳菓」を加工する工程は,「乳のみの乳製品」に添加物を付加し,乳製品を様々な菓子に加工する乳加工技術となる。本稿では,インドの複雑な乳製品の土台となる「乳のみの乳製品」について先ずは報告する。 |
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Palavras-chave: 乳加工; 乳製品; 都市; 農村; インド; 南アジア. |
Ano: 2011 |
URL: http://ir.obihiro.ac.jp/dspace/handle/10322/3172 |
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